2013年07月24日

gaelic ギリーシューズ

ブログご覧の皆様こんばんは。

連載5回目を迎えました、スタッフ野口の靴ウンチクのコーナーです。



今回はクセのある、ちょっと変化球な1足。

gaelicというブランド名のギリーシューズをご紹介します。

gaelic ギリーシューズ

ギリーシューズというのは、起源はゲール・ケルト文化圏の舞踏靴で、

メダリオン、パーフォレーションの入ったフルブローグがベース。

革靴に通常有るはずのタンが無く、その周りは波状にくり貫かれ、

シューレースは足首にグルグル巻きにするためにかなりの長さがあり、

その先端にはタッセルが付いている。

といったところが特徴です。

紐の長さ一つとっても、日常用ではなく、踊りのための靴なのが伝わってきます。

(all about飯野さんの記事が、ギリーシューズの起源を詳しく学ぶのに参考になります。)

ギリーシューズはシューレース周りのデザインが特徴的で栄えることもあってか、

ファッション靴として、トリッカーズ、チーニー他、近年さまざまな英国靴ブランドから作られています。


ただ、そうして作られた靴は、普段履きとしての革靴に必要な実用性を無視できないので、

タンが付いていたり、普通に結ぶための長さのシューレースだったり、

ギリーシューズ本来のディテールを取り入れていないものがほとんどです。



さて、この1足の注目すべきは「gaelic」というブランド、made in Britainの表記。

手に入れたのは2、3年程前。オークションで見つけた1足です。

gaelicは直訳で、「ゲール族の」という意味。

そして英国靴の産地としてほとんどを占めるであろう、England表記でなく、

英国全体を表すBritainの表記から推測するに、

ゲール族が直接関係する、スコットランド、もしくはアイルランド製であると思われます。

名前や生産地から、その起源に最も近い靴の1つなのではないかと想像できます。


爪先の芯がしっかりしていなかったり、ヒールベースがプラスチック製だったり、

イングランド、ノーザンプトンのファクトリー製の靴と比べたら、

作りの面ではとてもチープ。遠く及ばないかもしれません。


しかし、起源に忠実に、歴史ある舞踏靴としての本来のディテールを守ってくれている。

それだけで私にとっては最高に魅力的な靴の1つであり、

ロマンを感じずにはいられません。


舞踏靴としてマスターピースと呼ぶに相応しい靴。出逢えた事に感謝です。


いかがでしたか?

今回も古靴の魅力、少しでも伝わりましたでしょうか?

次回からも続けて、コレクションの中でも少し変わり種をご紹介していこうと思います!

ありがとうございました!



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Posted by RESH(リッシュ) at 23:28│Comments(0)スタッフ野口の靴ウンチク
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